2004. 3. 山梨県 河口湖 河口湖モデルハウス

「 富士山を望む家 」

CONCEPT

< 富士山を望む家 >

田子の浦ゆ打ち出て見れば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける

1300年前に山部赤人が詠んだように、私たちは霊峰富士を今も語り継いでいる。
この建築地に最初に立った時、迎えてくれたのも富士山であった。いや何より河口湖の人々は富士山を愛し、共に生活し、恐れもしている。神々しくもある存在であるようだ。富士のような存在に出会うとすべてのものは、ちっぽけな存在に思われる。
言わずもがな、建築の寿命は富士の寿命より短い。「諸行無常」と考えるなら、この建築が存在するひととき、富士と対峙しながら、共に楽しめ時間をすごせるような空間がここに創造できればと思いデザインにあたった。
木造二階建ての低層住宅ではあるが、スキップした2.5階を持つ、この4帖ほどの少スペースからのみ、富士と対峙する。このスペースは富士見台と名づけられ、ある意味、精神性の高い空間である。
1階の玄関をくぐると、ガラス戸と障子に囲まれたエントランスホールに入る、ここは2階までの吹抜け空間となっており、外部でもなく内部でもない縁側のような中間領域の空間である。日本建築の特徴(日本人の特徴)はこの中間領域の存在にあると思われ、特に意識的に創っている。このエントランスに接するかたちで、内部空間が存在する。
1階のリビング・ダイニングは自然素材を中心に仕上られ、エントランスホール越しに外部とコンタクトしている。また、ダイニング部分は2.5階を設定した関係で、4mを越す天井高になっている。
2階は主にベッドルームとして使用され、書斎に使える部屋も設置した。2階の天井は、片流れの屋根形状をそのまま反映し、斜め天井の躯体を現しにしている。2階の人見戸を突き上げると、エントランスホールになっており、吹抜けを通して外部とコンタクトがとれ、肉声で1階とも会話できる。
さらに階段を上ると、スキップした2.5階のフロアがあり、そこから富士見台に侵入する。富士見台の存在は内部空間から捉えると,空中に浮かぶ茶室のような存在である。
外観において、富士山ならびに河口湖の山並みにとけこむよう考えた。米杉の縦張りを3方に、1方のみ米杉を矩形断面に加工し、積み木のように積み上げて張った。特に太陽や月の陰影が出来るよう意識し、建物がそびえないように考慮した。
経年において美しく変化する建物であってほしい

MAY.2004 CN‐JAPAN 藤村 正継

DATA 構造:木造・軸組み
竣工:2004年 3月
 

    

 

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